田中 良子 様  県弓道連盟理事  御坊市塩屋町在住

写真:田中 良子 様写真:田中 良子 様

5年後国体へ基本の指導を徹底

「県内の競技人口が少ない弓道をなんとか盛り上げたい」。2015年紀の国わかやま国体少年女子強化監督の田中良子さん(64)=錬士5段=は、県立日高高校を最後に定年退職後も、県教委委嘱の「きのくにエクセレントコーチ」として日高地方の高校で指導に当たっている。

職場の同僚に誘われて弓道を始めたのが昭和43年で、同45年には日高高校弓道部の監督に就任。以来、インターハイをはじめ多くの大会で結果を残し、国体では平成12、20年の大会で県チームを少年女子の部優勝に導いた。ほぼ全員が高校入学後に始める競技だけに短期間で生徒を伸ばすのは容易なことではないが、「弓道に必勝法なんていうものはなく、本番で本人がどれだけ実力を出せるかどうかというもの。私にできることはとにかく基本を教え込む、それだけ。特別なことは何もしていない」。

〝ほめて育てよ〟という指導法は好きではない。弓道は楽しんで勝てるほど甘いものではなく、泣きながらでも必死に稽古して基本を身につけた者だけが勝てる。精神的にも肉体的にも積み重ねたものが正直に表れる、それだけ射場というのは厳しい場所であることが、長年の経験から身にしみている。

毎月開かれる県弓道連盟の大会には生徒を出場させるが、勝てないこと、失敗するのも大切なことという指導方針を持っており、「出場しなければ自分自身の実力を把握できないし、失敗することで次の課題が見つかる。経験を積むことで精神力も強くなり、大きな大会で自分の力が発揮できるようになる」。失敗して落ち込む生徒もいるが、一生懸命頑張った生徒には明るく声をかけ何気ない言葉で励まし、次へのやる気を失わせない。

今年から日高高校付属中学校のクラブとして弓道部ができた。現在の2年生以下は5年後、少年の部の対象選手になる。練習時間が高校生よりも制限され、思うように指導しきれない部分もあるが、早い段階から選手育成に取り組めるため今後の成長へ楽しみが大きい。5年後の紀の国わかやま国体で県内の競技力がどこまで伸びているか。「これからも基本を教えることを徹底し、指導者として最善を尽くしたい」と期待を胸に奮闘する。

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